営業はその基本を抑えておくことで、効果的な成果を上げることが出来ます。しかし、その基本はある程度の経験が成せるものでもあり、一朝一夕で習得することは難しいかもしれません。今回は営業のプロが行っている5つの基本テクニックを一挙に公開します。
商品の本質を知る
まずは基本中の基本ですが、自社の売り出している商品の事をしっかりと勉強することが大切です。当然ながら、内容をよく知らないものを売り込むことは出来ません。自社の商品はもちろん、競合他社の商品も研究した上で、自社商品のメリットとデメリット、競合他社の商品のメリット、デメリットをしっかりと把握するようにしましょう。
そして、自社商品を最も効果的にアピールすることの出来る角度から商品を紹介することを心がけてみてください。一見難しそうな作業ですが、しっかりと自社商品を研究することが出来ていればそれほど難しい事ではありません。
自社商品が、他のどんな商品よりも魅力的に見える角度は必ず存在します。そのアプローチ方法を考えていく事が、営業の第一歩の準備といえます。
自社の商品がどのような顧客にマッチするのか、逆にどのような顧客には必要とされていないのかを徹底的に洗い出しましょう。自社商品の博士になれば、営業はそれほど難しいものではないのです。
顧客のニーズを知る
自社商品をしっかりと分かった上で、次に必要になる事が、顧客のニーズを正しく探ることです。どんなに自社商品が優れていたとしても、それが顧客のニーズに合っていなければ営業は成功しません。
ここではデータからニーズを把握する方法と、実際の訪問で話を聞きながらニーズを見極める方法があります。データから把握する方法は、業界全体などといった大きな括りの中で、現代の社会が求めるニーズを探るのに適しています。戦略を考える上での第一段階として取り入れると効果的です。
また、実際の訪問で聞き取る際には、訪問先企業が見ている「未来」を具体化していく作業が効果的です。全ての企業は、何らかの将来像を描いています。しかし、多くの企業はその将来像を具体化することが出来ていません。その将来像を具体化し、そのために必要な過程の中に自社製品が必要な個所があれば、そこには大きな営業チャンスがあるのです。
一方で、企業が描く将来像のために自社製品が必要なかったら?今回の営業はうまくいかないかもしれません。しかし、この将来像を描く作業はコンサルタント業そのもの。企業のいく先を考える手伝いをすることとなった営業マンは、末永くお付き合いを出来るパートナーとなる事は想像に難くありません。
顧客のニーズを掘り起こす作業は、絶大な信頼を得るチャンスでもあるのです。今回の営業を全てと考えずに、今後の大きなビジネスに繋がるチャンスと考え、長い目での営業を心がけましょう。
ニーズに合わせた営業を
ここまで来たら、いよいよ営業先を見極める作業に入ります。もちろん、顧客のニーズをしっかりと把握していればそれほど難しい事ではありません。しかしここで注意すべきは顧客目線で物事を考える、という事です。
営業マンはついつい成果を求めるあまり、自社商品のいい所を矢継ぎ早に話してしまいがちです。これは熟練の営業マンでもありがちな罠で、実は顧客側からしたら決して購買意欲をそそられる行為ではありません。
聞いてもいない商品のメリットを羅列されることは、逆に「そんなにメリットを挙げるという事は、ばれては困るデメリットがあるのかな?」と不安になってしまうのです。しっかりとニーズを把握しているのなら、ここは商品のメリットを隈なく挙げるよりも、顧客が求めているポイント、不安に思うであろうポイントだけを簡潔に説明し、後は顧客からの質問を待つ姿勢の方が好感を持たれます。
そのために必要なスキルが「傾聴」になります。勘違いされている方も多いようですが、傾聴はただひたすらに相手の話を頷きながら聞けばいいというものではありません。大切なのは、相手の話に共感することです。
「おっしゃる通りですね」「それはご苦労をされましたね」といった、相手の感情に共感するワードを入れていく事で、相手もあなたの事を徐々に「自分の事を考えてくれている人だ」と感じるようになってきます。ここまで来れば、営業成功まであと一歩です。
商品と同時に「自分」を売り込む
前の項目と少し重なりますが、営業をする際には商品と同時に「自分」を売り込むことを大切にしましょう。商品を売り込んでいるのはあくまで「あなた」です。信頼できる人の話には説得力がある、という経験は誰にでもあるでしょう。
自分を売り込む行為にはこの感情が作用します。商品よりも前に会話の中で自分を売り込み、「信頼できる人」というイメージを作り上げるのです。ポイントを一つご紹介しておくと、「出来ない事は出来ないとはっきり言う」という事が挙げられます。
営業初心者がよくやってしまうこととして「○○という事は出来ますか?」という質問に対して、契約がほしい一心で、確証を持てないまま「何とかしましょう」というような期待を持たせる返事をしてしまうことが挙げられます。期待を持たせておいて、後になって「やっぱり駄目でした」というやりとりは、信頼できない人の烙印を押されてしまっても仕方ありません。
顧客の望むことを「出来ない」と伝えることはとても勇気のいることですが、しっかりと「それは出来ません」と伝えることが後々の信頼に繋がるのです。さらにそこから「○○は出来ませんが、△△という方法で代用してみてはいかがでしょうか。弊社商品ですと…」と話が展開できると最高です。信頼を勝ち取るため、曖昧な受け答えはしない、という事を意識しましょう。
成約~アフターフォローを疎かにしない
ここまでくればあと一歩。しかし、最後の詰めを甘くしてはいけません。成約は営業マンが最もやりがいを感じることの出来る一瞬でもあります。ここを焦らず、しっかりと行うようにしましょう。具体的には、最後の決定は顧客にゆだねるという事です。
当然の事ですが、この基本が出来ない営業マンは意外と多いです。「ではこちらでよろしいですね。」と一方的に話をまとめてしまうと、後で話がこじれてしまうことも多いもの。ここはしっかりと「いかがなされますか?」とフリーの質問をしたまま沈黙を守り、最終決定を待つ姿勢が大切です。
そして、成約後はアフターフォローを大切にすることも意識しましょう。企業によってはアフターフォローを営業の業務から外すところもありますが、やはり企業の窓口として、ある程度のフォローはしておきたいところ。次回の営業に繋げるためにも、定期的な挨拶をし、商品に不具合がないかどうかをこまめにチェックするようにしましょう。
まとめ
営業マンが一人一人全く違う性格であるように、本来営業というものは千差万別の手法があり、営業マンによって得意なアプローチ、苦手なアプローチ、また有効なアプローチ、無意味なアプローチが存在します。
それでも今回紹介5つの方法は基本中の基本となるもの。新たに営業のお仕事をされる方は、是非ご参考ください。
また、長年営業に携わっている方でも、この機会に是非、ご自分の営業スタイルを振り返る材料にしてみてはいかがでしょうか。きっと、以前にも増して高い成績をキープすることが出来るかもしれません。
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