営業として活動する際に、必ず覚えておきたいポイントを3つまとめました。少しだけ話し方を変えるだけで印象というのはかなり違ってきます。どんな話し方なら良いか、どんなシーンで気をつけておけば良いか、そんなことを今回はまとめました。
同じ方向を見ること
営業と言うと、得意先から注文を取ることが仕事ですから、先方と向き合って取るか取られるかの丁々発止をやっているように思われがちですが、全く違います。
注文を取ろうとする意識が働けば、得意先は取られまいとします。いくらすばらしい資料をまとめて説明しても、その意識が見え隠れすれば信頼は得られないでしょう。
マーケティングでは「Win-Winの関係」とか、近江商人の経営哲学では「三方よし」と言うのがあります。いずれかが得をし、いずれかが損をするのではなく、いずれもが得をする互恵が商売だとしていますし、それが資本主義の大本です。中国の一対一路や、米中貿易が問題になっているのも、中国が得するばかりで互恵関係ではないからです。
営業で重要なことは、自社と得意先が互恵関係にあることです。得意先が求めることを確認し、それを実現するためにメーカーが協力する姿勢です。違う言い方をすれば、得意先と同じ目的を持つ、一緒に同じ方向を見ることです。これが得意先に信頼してもらえる第一歩です。
そのためには先ず得意先の目的を知り、共有しましょう。得意先が小売業であれば、目的は客数を増やし、売上と利益を上げることでしょう。メーカーは自社商品を通して目的に協力できることを考えればいいわけです。
そのためのキャンペーン、コーナー作りや販促物の提供・提案を行うなどします。もちろん仕入れ量と値引きも含まれるでしょう。あくまでも注文を取るのではなく、お店の目的のための提案に徹すること、そういうしゃべり方をすることが重要です。
薬局チェーンの本部での商談を例にとってみましょう。バイヤーと机を挟んで対峙するのではなく、一緒に窓の外(生活者)の方を見ながら、どうやったらお店の客数を上げられ、売上、利益を上げられるかを話し合う態度です。これだけ取ってくれればこれだけ値引きする、だけの条件闘争になっては取るか取られるかの対峙になってしまいます。
最初は「近頃、寒くなってきましたね」という天候の話でいいですから、バイヤーさんと一緒に外を見ましょう。それから生活者の話になり、「○○薬局様の客数増、売り上増の方策を考えてきたので聞いてほしい」こと結びつける感じです。だいたいの導入部分を自分なりに作っておき、同じ目的を持つ仲間であることを相手に認知してもらうことが大切です。
あと、小売業にとっては地域への貢献も目的の一つです。薬局であれば、患者さん(お客様)を助けることが地域社会への貢献となります。よって皮膚病薬等の新製品の紹介を例にとれば、「こういう症状の患者さん(お客様)には、このお薬が効きます」と、具体的にお客様が思い浮かぶようにターゲットと他のお薬との違いを明確にして紹介することが大切です。
話し上手より聞き上手
商談は提案が必要ですが、主体は得意先の話を聞くことで、「聞き上手」になることが重要です。営業マンの基本と言っていいでしょう。
時間が押している場合は別として、商談室でお茶を飲みながら気軽に話ができる人は大変重宝されるものです。時にはお昼を一緒に取りながら、とか夜お酒の席で接待という場合はなおさらです。
安倍首相とトランプ大統領のように、ゴルフしながら重要な話をすることもあるでしょう。現在ではそういう接待自体が自粛されてきていますが、まだまだいろいろな形で残っています。また、直接会って話す場合だけではなく、電話連絡であっても同じです。
では、聞き上手とはどういうことでしょう。一般的には、相手が興味を持っていることとか、得意なことを適切に質問し、気持ちよく話してもらうことです。「お休みは何をされてたんですか?」と聞くだけでもよいのです。そこで趣味のこととか、子どもの教育とか、家やマンションの計画の話とか、いろいろと話が広がることでしょう。
その中から仕事の話や業界の話、マーケットや景気の話等から重要な商談の糸口にもつながります。
相手に気分よく話してもらうことで一番難しいのが「相づち」というものです。民謡の合いの手のようなもので、それがうまくできれば歌い手も歌いやすくなります。
いつも、相づちが「はい」「そうですか」等だけでは、「聞く気がないのか?」と思われ、話の腰が折れてしまいます。相づちの言葉はそう多いものではありませんので、それに苦労する方も多いのではないでしょうか。
しかし、無尽蔵に相づちの言葉が出てくる方法があるのです。それを専門用語で「トラックバック」と言います。相手が話す内容を繰り返す方法で、ちょっとニュアンスが違いますが「オウム返し」に近いでしょうか。わかりやすくするために、事例を幾つか挙げてみます。
「…がうれしかったんだよー」 → 「あ、それはうれしいですね」
「…はダメだと思うんだ」→「うーん、それではダメなんですか」
「…地域のためにはどうかと思うんだ」→「地域のためにならないですか」
まったくのオウム返しではなく、自分なりの話し方にして相づちを打つことで、これによって無尽蔵に相づちの語彙が増えます。相手にとっては、話したことを繰り返されれば「自分の話をちゃんと聞いている、真剣に考えている」と思えますし、何よりも相づちが同調や質問になっているために、話しやすくなるのです。
なおトラックバックは、得意先に限らずあらゆる場面で使える方法ですので、覚えておくと役に立つでしょう。
第一印象を大切に
髪型や服装等の身だしなみは、人を見る上で9割を占めるとも言われています。
相手にとっては自分をどれだけ大切に思っているかのバロメーターにもなります。時間厳守や報告、連絡等もそうです。これらは礼節、マナーをわきまえる第一歩であるとともに、自分に自信を持つための第一歩でもあります。営業の基本として、日々気を付けておくべきことですので怠っていけません。
それら営業の基本を守った上で、実際に商談等に当たって印象を上げる具体的な事例を紹介いたします。
名刺を押し戴くことや商談中は資料の横に大切に置いておくことは、どこでも教えられるマナーです。ここでは名刺交換でさらにもう一歩踏み込んだ方法を紹介します。
いただいた名刺を両手で持ち、目で確認しながら「〇〇様」とお名前を必ず復唱してから、名刺を押し戴きましょう。そうすることによって、相手は「この人は、わたしの名前を覚えようとしている」と認識してもらえます。名刺をもらってから着席するまでの短い時間にできる簡単なことですが、第一印象を良好にする重要な行為となります。
次に、商談中には質問や重要な内容はメモを取ると思いますが、なるべく復唱するようにしましょう。これも、「話をよく聞いている」と思ってもらえる行為です。
質問等への回答や再提案には次のアポイントが必要ですが、必ず日時を決めることも重要です。日時が決まったら、もちろん復唱を必ず行いましょう。決められなかったときにはなるべく早く、最低でも一両日中の連絡が必須と心がけましょう。連絡の際には、前日の商談等のお礼を最初にお伝えすることはもちろんです。
まとめ
営業力は信頼してもらえる力ですから、人間力と言ってもよいでしょう。基本的なことの繰り返しがほとんどで、仕事を通じての人間修行のようなものです。
今回はその中でも、一般的には教えられていない営業マンのノウハウで「得意先と同じ目的を持つこと、聞き上手になること、第一印象を大切にすることの3つを紹介いたしました。
基礎としてすでに知っている方もいるかもしれませんが、ご参考になれば幸いです。
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