2019.07.19

インサイドセールスとは?注目を集める理由とメリット・デメリット

近年、インサイドセールスという手法が注目されています。今回はインサイドセールスとはどんな手法なのか、なぜ近年注目されているのか、そのメリットとデメリットは何か、などについて取り上げていきます。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは内勤営業と訳されることが一般的で、顧客と遠隔から非対面でコミュニケーションを取り、営業を進めていく方法です。

オンライン、オフラインを問わず、電話やメール、WEB会議といったツールを使って遠隔営業を行っていく方法は、ツールの発達に伴いその必要性を増しています。そもそもは1980年代から米国で発展しました。広大な国土を持つ米国では、全ての顧客と対面で話をすることは難しく、必要に迫られて生まれ、発展してきたシステムです。

なぜインサイドセールスが必要か?

日本でインサイドセールスが発展したことにもいくつかの理由があります。大きなものが業務の効率化によるマンパワー不足に対する対策です。近年叫ばれている働き方改革も伴い、企業のマンパワー不足は深刻化しています。マンパワー不足のしわ寄せは営業部門にも押し寄せ、人海戦術による営業活動をしてきた企業は危機に陥っています。

そこで注目されるのがインサイドセールスです。内勤による営業を行うことで、少ないマンパワーで効率的な営業を行うことが出来るインサイドセールスが日本で取り沙汰されているのは必然なのかもしれません。また、顧客の購入までのプロセスの変化も大きく上げられます。

以前ですと、顧客が購入に至るまでの営業マンの話を聞いて商品に興味を持った顧客はいくつかの企業の話を比べながら一番の商品を選んでいました。そこでは営業マンの対面によるコミュニケーションが必須で、まさに営業マンの力の見せ所でした。しかしネットの普及した現在では、顧客は自らがウェブ検索することで、商品を比較することが出来ます。

営業マンから聞いた情報を元にネット検索をし、様々な情報を比較検討した上で最良の選択肢を選ぶというプロセスが一般的になっています。簡単にいうと、以前に比べて市場は買い手主導の傾向が強くなっているのです。顧客は自ら商品を調べる力を有しているので、強く売り込めば売り込むほど顧客は敬遠してしまうことも少なくありません。

しかしインサイドセールスによる営業なら、売り込みは、顧客が積極的にアクセスしなければ売り込みを目にすることもない、という状況を作り出すことも可能です。ステルスマーケティングという言葉も有名になっていますが、まさに「顧客に気づかれずに売り込む」という営業スタイルが可能になるのがインサイドセールスなのです。

少人数で効率的に、大量の顧客にアプローチすることが出来る、それがインサイドセールスの特徴であり、今注目されている理由なのです。

インサイドセールスとフィールドセールスの比較

インサイドセールスの対義語はフィールドセールスになります。こちらは古くからある外勤営業を指します。では、インサイドセールスとフィールドセールスのメリット、デメリットを比べるとどのようになるのでしょうか。

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスのメリットとして初めに挙げられるのは、何といっても「効率のいい営業が可能」という事です。SNSなどを使った営業活動を考えてみるとその効果は歴然でしょう。フィールドセールスでは後回しになっていた受注見込みの低い顧客へも他の顧客と同じように営業活動を行うことが可能で、ビジネスチャンスを幅広くものにできるのです。

また、人件費の抑制にもつながります。単純に一か所の営業にかかる時間が大きく削減されるので、その分の人件費を別の作業に回すことが可能ですし、もちろんフィールドセールスのときにかかっていた交通費などもかからなくなります。

インサイドセールスのデメリット

インサイドセールスのデメリットとしてはまず顧客とのコミュニケーション不足が挙げられます。遠隔からのコミュニケーションにおいて、やりとりの内容がビジネスに必要な事に絞られてしまう事はある程度仕方のない事です。しかし、営業経験者であればビジネスにおいて、わき道にそれた話がどれほど大切かは痛感されているところでしょう。

こういった人間同士の会話が不足することがインサイドセールスのデメリットの筆頭です。また、営業で説明できる内容に限りがある、ということも挙げられます。直接話すことと違い、データのやり取りなどによるコミュニケーションとなると、どうしても複雑な説明には向きません。

フィールドセールスのメリット

フィールドセールスのメリットは何といっても、「顧客と顔を見て会話ができる」という事に他なりません。コミュニケーションにおける表情や口調、物理的距離感というものは言語によるコミュニケーションに匹敵するほど、大きな情報量を持っています。その情報を感じながら営業活動をすることは非常に大切であり、長きにわたってフィールドセールスが続けられてきた理由でもあります。

また、会話の中で趣味の話や家族の話を挟みながら、ビジネスではなく「人間として」の付き合いを深めることでお互いの信頼関係を増していく作業も、顔の見える関係を築くことが出来るフィールドセールスならではのものということが出来るでしょう。

フィールドセールスのデメリット

フィールドセールスのデメリットはコストがかかることです。一件一件訪問する営業マンの人件費、交通費、そしてそこにかかる時間は莫大なものであり、その訪問が購買に繋がらなかったときの損失も非常に大きなものになります。

それでもそのコストに見合うだけの効果が望めるのがフィールドセールスであることも事実ですが、いかにロスを少なくするかがフィールドセールスの課題であることからも分かる通り、この高いコストはフィールドセールスの一番の弱点なのです。

効果的なインサイドセールスの手法

ここまで見てきてお分かりの通り、インサイドセールスとフィールドセールスはお互いのメリット、デメリットを相互に補いあっているという特徴を持っています。近年インサイドセールスが主流になっていることは事実ですが、実際にはフィールドセールスとインサイドセールスを効果的に組み合わせることでより高い効果を生み出しているのです。

具体的には、マーケティングから成約までを分解し、フィールドセールスに適した部分とインサイドセールスに適した部分を分けて考えるといいでしょう。

マーケティング~アポ取り

マーケティングからアポ取りはインサイドセールスに向いた作業であるといえます。マーケティングは自社商品の市場、顧客のニーズを調べ、営業チャンスを探る行程です。白書などのビッグデータやSNS等を駆使して市場を調べます。そしてそのデータを元にメールや電話、SNSなどを使って第一次の営業をスタートするのです。

この時点の営業は細かな情報はいりません。広く浅い情報を顧客に与え、さらに自社のHPやSNSのURL、QRコードなどを付けることで、興味を持った顧客は自らの意志で自社製品を調べてもらうことが出来るようにするのです。

これにより顧客は「しつこい営業行為を受けた」という感情は持たずに(実際、しつこい営業はしていませんが)、「自らの意志で」商品についての知識を付けてくれるのです。そして、興味を持ってくれた顧客に対して、対面でコミュニケーションを取る機会を設定するのです。

訪問、ニーズの聞き取り~成約

ここからは古き良きフィールドセールスが力を発揮します。顧客のニーズを聞き取る作業はフィールドセールスが最も得意とするところ。

対面で雑談を交えながら、ニーズを聞き取り、自社製品で可能な対応とのすり合わせを行います。もちろん成約も対面の環境に越したことは無いでしょう。

インサイドセールスの注意点

インサイドセールスの注意点は、その評価方法にあります。インサイドセールス部門を立ち上げるも、うまくいかなかった企業の多くは、インサイドセールス部門の評価を急ぎ過ぎている傾向にあります。

そして、評価指標を行動数やアポ獲得数といった数値に求めてしまいます。これはインサイドセールスの大きな落とし穴です。行動数はつまり、「何件電話、メールをしたか」というもの。

この数値を評価指標とするという事は悪く言えば「意味のない電話をかけ続ければ評価が上がる」という事になります。結果、学生バイトの行うテレアポ業務と変わらない作業が始まります。

また、アポ獲得数については別の問題が生じます。アポ獲得数が評価指標となると、今度は、顧客になる可能性を見出す前に、「とにかく会ってくれる人」を探すための作業が始まってしまうのです。

本来インサイドセールスは、広く浅く選定したターゲットに顧客になってもらう可能性を植え付けることが目的になりますので、その評価指標は本来、「いかに顧客になってもらう可能性が上がったか」という事になるのです。これはステータスアップ件数という単語で置き換えることが可能です。

例えば「自社の事を知らない」→「自社の事を知っている」→「自社の製品に興味を持った」→「購入を検討している」→「アポの見込みがある」→「アポ」というように、顧客のステータスを育てていく事がインサイドセールスの評価指標となる事で、正しいインサイドセールスが出来るようになります。

また、この点については他部署からの理解が必須になります。分かりにくい指標であればある程、他の部署からは理解を得られないもの。

特に営業部門は成果が目に見えて出てくるもの、というイメージが先行しているのでインサイドセールスにもそのような成果を求めがちですが、「インサイドセールスは即効性のない営業である」という事を他部署にも明確に示していく事が大切です。

インサイドセールスの導入をするために

これからインサイドセールスを導入しようと考えている企業は、まずはハードの充実を図りましょう。インサイドセールスの専用ツールとしてCRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)と言われるツールがあります。

これらを使ってインサイドセールスの進捗状況をデータ化していく事で、前述のインサイドセールスの評価指標にも使用することが出来ますし、また、その後のフィールドセールスに引き継ぐ際の資料としても、「どんな経緯で」「どんなやり取りをしているのか」といった営業に必須な情報を的確に引き継ぐことが出来ます。

特に今までフィールドセールスをメインにしてきた企業では、一人の顧客に対して一人の営業マンが担当という形で付くことが多く、どうしても営業記録の共有という部分が弱い傾向があります。しかし、インサイドセールスではこの営業記録の共有が肝になります。組織づくりをしっかりと行い、体系だった営業を行うことがインサイドセールスの成功に、そして営業活動の成功に結び付くのです。

そして、この営業記録の共有がスムーズに行うことが出来るようになると、企業自体も大きく変わっていく事が期待できます。多くの企業の抱える問題である情報共有について、大きな一歩を踏み出すことが出来たと捉えることが出来るからです。

インサイドセールスチームは、情報共有の専門家としても社内のコンサルティングを行うことが可能なチームです。営業活動から初めて、社内の交通整理も行うことの出来る可能性を持ったチームとなり、企業に大きく貢献することが出来るでしょう。

まとめ

インサイドセールスは現代社会にマッチした営業スタイルであると同時に、現代日本の持つ様々な課題を解決する可能性を持った手法です。しかし、どうしても保守的な考えの経営陣からインサイドセールスの発想は生まれません。

ここで力を発揮するのは、やはり時代の流れに敏感な若い世代であることは言うまでもありません。若い世代が、業務の効率化、企業の組織化のためにインサイドセールスを立ち上げるのは並大抵の努力ではないかもしれません。しかし、企業の未来を担うのは間違いなく若い世代です。

逆にインサイドセールスに手を付けていない企業でしたら、企業内のチャンスが大きく残っていると考え、誰よりも早くそこに手を付けていく事は、ひょっとすると若い世代が企業の中で大きく飛躍するための第一歩となるかもしれません。

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